結城紬
袖を通すたびに深まる味わい 本物の手作りの証
長年にわたり多くの先人たちの創意工夫によって成長してきた結城紬は、昭和31年に国の「重要無形文化財」に、昭和52年に国の「伝統的工芸品」に指定されています。幅、長さ、打ち込み数や模様ずれなど15項目の厳しい検査に合格しなければなりません。
☆ 絣くくり
絣の柄となる部分に染料が染み込まないよう、絣糸を綿糸でしばります一幅にしばる箇所は80亀甲で160、200亀甲だと400箇所もしばります。1人の手で同じ力でくくらないと仕上がりがムラになってしまいます。
一般に100亀甲細工だと絣くくりだけで3ヶ月以上、精巧な絣になると限りがありません。
☆ 機織り
地機(じばた)という最も原始的な機織り機で織り上げます。1500年もの間変わることなく伝承されています。たて糸を腰当に結び付け、腰の力で張り具合を調節するので、手つむぎ糸の弾力あるやわらかさを生かし、糸に無理な張力をかけません。
よこ糸は筬(おさ)で打ち込んだ後、大きな杼(ひ)でさらに打ち込みます。こうして結城紬独特の風合いが作られていきます。
☆ 糸つむぎ
「つくし」という道具に真綿を巻き付け、手でつむいで「おぼけ」と呼ばれる桶に糸を入れていきます。たて糸よこ糸等、用途に応じた細さで、かつムラなくつむがねばなりません。
通常、糸は強い撚りをかけることで強度を増していますが、結城紬の糸は世界に類を見ない無撚糸です。
この技術の修得には数年の修行が必要です。
☆ 直接染色
淡い地色に濃い絣を表現する際に直接染色という技法を用います。薄いヘラに糸を巻き付けたものに染料を含ませ、一つ一つの絣になる部分に直接染色します。
やり直しのできない、集中力と熟練が必要とされる高度な技術です。
☆ 高機織り
無地、縞や縮み織りの一部には高機で製織されている製品があります。原料糸は地機織りと同じ手つむぎ糸を100%使用していますが高機は地機と違い、足踏み式でたて糸の上げ下げを行います。
☆ 撚糸作業
縮み織りに使用するヨコ糸に撚りをかけるには「八丁撚糸機」という道具を用います。糸が切れないように水で濡らしながらの作業です。
下撚りをかけた後、もう一度本撚りをかけ、糸1m間に1500~1800回程度の撚りをかけます。
織り上がってから、湯に通すと撚りのかかったヨコ糸が約1割ほど縮み、結城縮独特の風合いが生まれます。
下に記載の一連の証紙が本場結城紬の正しい商標です。
結城紬はUNESCOの世界無形文化遺産に登録されました。