身丈(みたけ)着物(長着)の身丈は仕立て上がりの着物の長さ、出来上がりの着物の肩山から裾までの長さ、またはその寸法をいいます。 一般的に身丈は身長と同寸としますが、着付け時の腰紐位置が高い人、いかり肩、肉づきのよい人、帯の位置の低い人などは身長にいくらかプラスした寸法を身丈とします。また着物の格、染めの着物、織りの着物など着物の種類によっても長さを加減したりする場合があります。 ※長着(ながぎ)とは着物のことで袷長着、単衣長着などと使い、袷の着物、単衣の着物と同じ意味です。 ・身丈 標準寸法 身長と同寸 もしくは 身長+α |
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着丈(きたけ)着丈とは長襦袢やコートをつくる(仕立てる)際に必要な寸法です。身長の100分の80から83を基準とします。実測する場合は、首の付け根(首のぐりぐり)から床までをまっすぐに測ります。着丈におはしよりを足した寸法が身丈になります。 ・着丈 標準寸法 身長×80/100~83/100 |
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衿下(えりした)・褄下(つました)衿下は褄下(つました)、竪褄(たてづま)ともよばれその部分、またその寸法をいいます。 ・衿下(褄下) 標準寸法 身長の1/2 |
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袖丈(そでたけ)袖丈は袖の長さ、またはその寸法をいいます。袖丈は身長の3分の1を基準として着物の格、年齢、好みなどによって決めます。一般的には1尺3寸の袖丈を用い、多くは身長と年齢を考慮し決めます。長身の方の着物、柄ゆきが豪華な訪問着や仕立て直しの場合など(振袖から訪問着へ)1尺4寸~1尺5寸など袖丈を長めにしたり、年配の方や着物を着慣れた方、浴衣や普段着を1尺2寸の袖丈にしたりする場合もあります。 ・袖丈 標準寸法 身長の1/3 |
衿幅(えりはば)
衿幅には広衿(ひろえり)、撥衿(ばちえり)、棒衿(ぼうえり)の3種類があります。広衿は背中心から衿先まで通しの衿幅で11センチ(3寸)から11.5センチ(4寸)、バチ衿は背中心から衿先にかけて自然に広がった形をしていて背中心で5.5センチ(1寸5分)衿先で7.5センチ(2寸)、棒衿は背中心から衿先まで通しの衿幅5.5センチ(1寸5分)です。
広衿は着物に、バチ衿は長襦袢、棒衿は浴衣などに多く用いられます。しかし着付けがし難いので着物の衿をバチ衿や棒衿に、また胸元をふっくら着付けるために長襦袢の衿の形を広衿など個性を出す場合もあります。また長襦袢の衿は、着物から出ないように上記の寸法から1~2分控えます。
衿幅の寸法
男物着物(長着) |
裄(ゆき)裄は、着物の背縫いから袖口の長さまでのことをいいます。 着物を購入もしくはお仕立てする際には必ず実測する箇所でもあります。肩幅と袖幅を加えた寸法が裄になります。 |
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身八つ口(みやつぐち)身八つ口とは身頃の脇のあきのこと、またその寸法をいい「身八つ」「八つ口」と省略してよばれることもあります。 身八つ口は男物にはなく、女物と子供物の着物にだけあります。着付けの時、手を入れて着物を整えたり実用面でも重要な箇所です。体型、体の厚みなどにより多少加減しますが、多くは標準寸法が用いられます。 ・身八つ口 標準寸法 3寸5分~4寸(約13.5~約15センチ) |
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繰越し(くりこし)くりこしとは和服の衿を抜いた(繰った)ように着るため、衿肩明きを肩山より後ろ身頃側へずらすこと、またはその寸法をいいます。 その寸法は一般的には5分とされていますが、振袖などの礼装用の着物は普段着より多めにしたり、着物の格や着方、好みで5分~8分の間で加減します。また紬などの織りの着物は5分、染めの着物は7分など着物によって繰越しを変える方もあります。 ・繰越し 標準寸法 5分(約2センチ) |
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衽下がり(おくみさがり)衽下がりとは肩山から衽先までの長さのこと、またその寸法をいいます。 衽先とは身頃と衿と衽が合った部分で、細くとがっていることから剣先(けんさき)ともいわれます。年齢や体型、身長などで多少加減します。 ・衽下がり 標準寸法 6寸(23センチ) |
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衿肩明(えりかたあき)着物は立体裁断ではないので、洋服のように曲線でないため布地を切り取ったりできないので、布地の肩山の位置に切り込みを横方向にいれて首周りをつくります。その部分、またはその寸法を衿肩明(えりかたあき)といいます。標準寸法の2寸2分~2寸4分(約8.5~約9センチ)を用いますが、年齢や体型、首の太さなどで多少増減します。下に着るものほど衿肩明は小さくなり、羽織などは着物より衿肩明が大きくなります。 ・衿肩明き 標準寸法 2寸2分~2寸4分(8.5~9センチ) |
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袖付(そでつけ)袖付けは、身頃と袖が縫い合わさっている部分のこと、またその寸法をいいます。 袖付けは標準寸法を用いることが多いですが、年齢や体型、帯の位置などで多少加減したりします。帯の結ぶ位置から若い方は5寸5分、年配の方は6寸が好まれるようで、振袖などは帯を高い位置に締めるので袖付けは短く、年配の方の着物などは帯を下のほうで結ぶので袖付けが長くなります。若い方が長い袖付けの着物を着ると、つっぱったように感じ着付けや帯が結びにくく、また袖付けの短い着物にお太鼓などの普通の帯結びをすると、身八つ口が開いたようになり、あまり格好のよいものではありません。 ・袖付け 標準寸法 5寸5分~6寸(約21~約23センチ) |
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袖口(そでぐち)袖口とは手を通すところで標準寸法を用いることが多いです。袖丈とのつりあいで決めたりする場合もあります。 ・袖口 標準寸法 6寸(23センチ) |
長襦袢の標準寸法
着物や長襦袢を反物で買うと仕立てをしないと着れませんが、最近では仕立て上がりの着物や襦袢もたくさん見かけるようになりました。仕立て上がりの着物や長襦袢は、お仕立て代(縫製代)が不要なため安価に購入することができます。標準として用いられている寸法は、身長が155センチ〜165センチのものが多いようです。着物のお仕立て等には鯨尺を用いますので、センチとは必ず一致しません。(多少の誤差が生じます。)最近の既製品は「160センチの方向け」などの丁寧な表記のものが多いです。
長襦袢の標準寸法(目安)
着物の標準寸法
着物や長襦袢を反物で買うと仕立てをしないと着れませんが、最近では仕立て上がりの着物や長襦袢もたくさん見かけるようになりました。仕立て上がりの着物や長襦袢は、お仕立て代(縫製代)が不要なため安価に購入することができます。標準として用いられている寸法は、身長が155センチ~165センチのものが多いようです。着物のお仕立て等には鯨尺を用いますので、センチとは必ず一致しませず多少の誤差が生じます、ご注意下さい。最近の既製品は「160センチの方向け」などの丁寧な表記のものが多いです。
着物(長着)の標準寸法(目安)
身丈(みたけ)と着丈(きたけ)の違い身丈と着丈はどちらも出来上がった和服の丈のよび方ですが、それぞれ意味は違います。着丈は長襦袢や雨コートの丈に用い、着るとちょうどの長さのことで対丈ともいいます。身丈は着物(長着)の出来上がりの寸法のことで着丈におはしより分を足した長さのことをいいます。男物の着物はおはしよりがなく、対丈で着るので着物であっても着丈を用います。 |
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標準寸法を用いる箇所着物を自分のサイズにあわせて仕立てる場合は身長、手の長さ(裄)、ヒップ(腰まわり)から寸法を割り出しますが、以下の箇所については好みがない場合は標準寸法を用います。 ・袖付 ・袖口 ・衽下がり ・身八つ口 ・衿幅 ・衿肩明 ・くりこし |
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背の高い方、手の長い方はご注意を着物の反物、着尺一反は一般的に絹物で幅は約36センチ(9寸5分)、長さは約12メートルが規格になっています。身長が165センチ以上の長身の方、また裄が68センチ以上ある手の長い方はこの用布では間に合わないことがありますので購入の際は注意して下さい。最近ではそのような方のために、長尺のものや広幅の反物なども見かけるようになりました。詳しくは呉服屋さんなどの専門家にたずねてみて下さい。 |
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着物を仕立てる際に必要な寸法着物は洋服と違い、身体のラインに沿ってぴったり仕立てませんので、多少サイズが異なっても着用できます。しかし最近の若い女性などは体格もよく、既製の着物や標準サイズでは合わないこともあるようです。和服を着こなすためには、やはり自分の体型にあった寸法(サイズ)の着物が美しく着装できます。 自分の体型に合った着物をつくる(仕立てる)場合は、身長、腰まわり(ヒップ)、背中心から手首まで ・着物を仕立てるには・・・ 身長、腰まわり、背中心から手首までの3箇所を測る ・身長から ・腰まわりから 後ろ幅、前幅、衽幅 ・背中心から手首まで 裄(袖幅、肩幅) ・その他の箇所は標準寸法を用いることが多い 袖付、袖口、衽下がり、身八ツ口、衿幅、衿肩明、くりこしなど |
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着丈の決め方と注意点着丈は、身丈からおはしより分を引いた長さと同じで、着丈は長襦袢や雨コートを仕立てる際に必要な寸法で、対丈(ついたけ)ともよばれます。一般的には身長をもとに着丈を割り出し、体型により加減します。 着丈が短かったり、長かったりするとどうでしょう? 着丈の短い雨コート、長コートは裾から着物が見え不細工な着物姿になります。また長襦袢は着物(長着)の汚れを防ぐ意味ももっていますので短いとその意味を成しません。反対に着丈が長い短い雨コート、長コートは歩きにくく裾に雨がはねて意味がありません。また長襦袢は着付けをしにくいだけでなく、着物の裾からのぞいては困ります。身丈は紐で調節できますが、着丈は調整しませんので寸法の割り出しが重要ということがいえます。 |
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身幅の決め方と注意点身幅が自分のサイズにあっていると背縫い線は後ろ中心を通り、上前衽の衿下(=褄下)の線は下前(右)脇の縫い目にきれいに重なります。身幅を広く仕立てると、太って見えるだけでなく身幅が広い分、身体に巻くことになりますので歩きにくくなります。また反対に身幅が狭いとはだけて気になり、この場合も歩きにくく太ももが目立ちます。身幅の線、何でもないようですが縦の縫い目は自分の身体に合っていないと思った以上に目立つものです。 身幅は衽幅、前幅、後ろ幅からなり、衽幅3、前幅5が美しい比率といわれています。また脇線は身体の真横でなく、やや前よりにくるようにします。こうすることにより、すっきりとした前姿に見えるよう工夫されています。 最近の若い女性は手が長く、ウエストがとても細い方が多いようです。着物は洋服のように身体のラインにぴったり仕立てませんが、スマートで裄の長い方の体型をそのまま身幅の寸法にあらわすと逆三角形の着物になってしまいます。そういう形に仕立てると着物の生地に負担がかかり仕立ても着付けも上手くいきません。そのようなことから前幅6寸5分から7寸、後ろ幅は7寸5分を基準として肩幅とのつりあい等を考慮し決めることが多いです。 |
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裄の決め方と注意点裄は着物を自分の寸法に仕立てる上で、実測した寸法を用いる箇所で、故にごまかしがきかない重要な箇所といえますので採寸の際は念入りに計りましょう。採寸は腕を45度に上げ、首のぐりぐりから手首のぐりぐりまでの長さを腕に沿って測り、短めの裄が好みの方は手を肩に水平に上げ測ります。また体の特徴によって、いかり肩、なで肩、布地によって多少加減をしたりします。裄は肩幅と袖幅を足したものですが、外観的には肩幅より袖幅を広く割りふったほうが美しく見えます。(例えば、裄が1尺7寸5分の場合、肩幅8寸5分、袖幅9寸など。) しかし一般的に反物の幅は通常約6センチ(9寸5分)が規格で、生地により多少前後するものの肩幅、袖幅とも出来上がりで最大約34センチ(9寸)までくらいしかとれません。裄の長い方は、広幅の反物を探されるなど事前に呉服屋さんに尋ねてみて下さい。 |
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衿下(褄下)寸法の決め方と注意点衿下寸法は身長の約2分の1内外が標準といわれています。長すぎると着物の前がはだけて歩きにくいので長くても約82センチ(2尺1寸5分)くらいまでにしておきます。また採寸する場合は、腰紐の位置から裾線までの寸法から3~4センチ引いた寸法とすることが多いようです。しかし着る人の好みや、やわらかい着物とかたい着物では裾線の長さが違ったりするので多少の違いがあります。衿下寸法は着付面、見た目にも重要なポイントとなり、衿下が長いと間延びした印象になり、また着くずれの原因にもなります。反対に衿下が短いと野暮ったく、足も短く見えます。このことから、衿先から腰紐の引っかかり分がプラス約3~4センチが見た目、機能的にもよいと思われます。何でもないような衿下。実はとても重要な役割をしているのです。 |
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身丈の決め方と注意点身丈は一般的に身長と同寸、もしくは着丈におはしより分を加えた寸法にします。また着物の格やかたい着物、やわらかい着物などで多少長さを加減したりします。着丈とは肩山から裾までの長さをいい、おはしより分の長さとは首から頭の頂点までの長さで25センチから27センチ程度(6寸5分から7寸)をいいます。着装したときのおはしよりの長さは、帯の下から約7~8センチくらい出ているのが美しく見え理想的です。身丈を割り出す際の注意点としては、いかり肩の方、ふっくらした体型の方、年配の方で帯を下目に結ばれる方などは、身丈が普通の方より多めに必要となりますので身長にいくらかプラスされるほうがよいと思います。身丈の割り出しは非常に大切で、長すぎると着付けのときに着にくいだけでなく、紐を高い位置で結ばなくてはいけませんし、またおはしよりが長いということで(視覚的に)足が短く見えます。また逆におはしよりが短いと着くずれしやすく、その上バランスも悪く間がぬけた感じに見えます。身丈と着丈という表現がありますが、それぞれ違い身丈は着物(長着)の長さ、着丈は長襦袢、雨コートの長さに用います。 |
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袖丈の決め方と注意点袖丈は身長の3分の1とするのが一般的ですが、身長や着物の格、好みなどで違ってきます。例えば年配の方や着物を着慣れた方などが1尺2寸の袖丈にしたり、10代の方で振袖以外の着物をつくる場合に1尺5寸にすると、袖丈でかわいらしさを表現したりできます。しかしまちまちの袖丈の着物をつくると、長襦袢やコートもそれらに合わせたくさん必要となります。その点を考えて袖丈は決められると良いと思います。 |